内見のあと、お客様から「初期費用、いくらになりますか」と聞かれる。家賃と敷金礼金は分かっている。でも日割り家賃は入居日次第で、前家賃は月をまたぐかどうかで変わる。
事務所に戻って電卓を叩き、表計算に打ち込み、見積書の形に整える。申込が決まれば、今度は同じ内容を請求書に作り直す。仲介手数料を値引きした分は、合計も直さないといけない。
数字自体は単純です。ただ、同じ計算を申込のたびにゼロからやり直していました。そして見積書と請求書で数字がずれる、というミスが一番怖い部分でした。
「初期費用見積もり・請求書」は、この計算と書類の作り直しを1画面で済ませるために作ったツールです。この記事では、実際の画面と動画で、家賃を入れてから請求書ができるまでを紹介します。
動画(約30秒・音声なし):家賃を入力し、仲介手数料を値引きして、請求書に切り替えるまで。画面はすべて架空のサンプルデータです。
手計算の何が面倒だったのか
初期費用の見積もりで手が止まるのは、次の3か所でした。
- 日割り家賃と前家賃。入居日が変わるたびに、日数と対象月を数え直す必要があります。
- 値引きの反映。仲介手数料を下げると、その行だけでなく合計も直します。見積書と請求書の両方で。
- 請求書への作り直し。同じ費目を別の書式に転記し、請求書番号と支払期限を付ける作業です。
ひとつひとつは数分ですが、月に何件も重なると無視できない時間になります。それ以上に、転記のたびにミスの入口が増えるのが嫌でした。
作ったもの:初期費用見積もり・請求書
この章の流れ
- 家賃と費目を入れる
- 日割りと前家賃が自動で入る
- 仲介手数料はクリックで値引き
- 「この見積もりを請求書にする」
1家賃と費目を入れる
真ん中のフォームに、物件名・家賃・共益費・敷金・礼金などを入れます。敷金と礼金には「家賃1ヶ月」「家賃2ヶ月」の早見ボタンがあり、押すだけで金額が入る仕組みです。左の枠にマイソクのPDFを置けば、見ながら転記できます。PDFはお使いのPCの外には送られません。
2日割りと前家賃が自動で入る
入居予定日は、作成日の翌月26日が自動で入ります(変更できます)。この日付から、日割り家賃・共益費と前家賃の対象月が計算され、見積書に計算式つきで載る形です。
見積書の入居予定日をクリックすると、その場で日付を変えられます。日割りと前家賃は連動して変わるので、お客様と話しながら「26日入居なら」「月初なら」と比べられます。
3仲介手数料はクリックで値引き
見積書の仲介手数料の金額をクリックすると、金額を選んで変更できます。標準額より安くすると、標準額に取り消し線が入り、新しい金額が赤で表示されます。合計の再計算も自動です。取り消し線を出さず、修正後の金額だけを載せる表示も書類ごとに選べます。
居住用の仲介手数料は、家賃の1ヶ月分+税を受け取るには借主の事前承諾が前提になります。ツールでは1ヶ月分を選ぶと「要承諾」の印が出るので、確認の抜けを防げるはずです。
4「この見積もりを請求書にする」
申込が決まったら、「この見積もりを請求書にする」を押します。同じ費目と金額がそのまま請求書になり、請求書番号と支払期限(発行日から7日後)が自動で入ります。宛名と振込先を入れれば完成です。
請求書はインボイス(適格請求書)の形式に対応しています。費目ごとに課税・非課税が分かれ、課税の行には※印が付き、登録番号を載せられます。見積書と請求書は同じデータから作られるので、2つの書類で数字がずれることはありません。
最後に「PDFに保存」を押すと、A4で1枚の書類として出力されます。作った見積書と請求書は履歴に残り、あとから開き直せます。
できないこと・注意点
- マイソクのAI読み取りは準備中です。いまはPDFを左に表示して、見ながら手入力します。
- 見積書は概算です。正式な金額は重要事項説明書と契約書が優先されます。書類にもその旨を明記しています。
- 費目の課税区分と立替金の扱いは御社の判断です。ツールは区分に沿って計算するだけで、税務上の判断はしません。迷う場合は税理士にご確認ください。
よくある質問
初期費用見積もり・請求書について、よく聞かれることをまとめました。
Q. 保証会社や火災保険など、物件ごとに違う費目はどうしますか?
保証会社・火災保険・鍵交換の欄に加えて、その他の費目を行ごとに追加できます。退去時費用の備考欄もあります。
Q. 作った見積書は社内で共有できますか?
できます。見積書と請求書はサーバーに保存され、履歴から他の端末でも開けます。
Q. 提案資料ジェネレーターの初期費用ページとは何が違いますか?
提案書の初期費用ページは、複数物件を比べるための概算です。こちらは1物件の見積書と請求書を書類として出すためのツールで、計算のルールは同じにそろえています。
まとめ
初期費用の計算は単純でも、申込のたびにゼロからやり直し、見積書と請求書で2回書くのが負担でした。このツールは、その計算と転記を1画面に閉じ込めるための道具です。
わたし自身の申込業務で毎回使っているので、直したい所は先に気づきます。同じ計算を繰り返している方に、そのまま使ってもらえたらうれしいです。
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